「面接では何を聞かれるの?」「どう答えれば合格できるの?」——筆記試験を突破した受験生が次に直面するのが、都庁の個別面接です。
都庁Ⅰ類B(一般方式)技術職の面接は、第2次試験として行われる個別面接1回のみ。面接官3名を前に、20〜30分間の面接を突破すれば最終合格です。元合格者の筆者が、実際に聞かれた質問と、効果的な回答の考え方を解説します。
目次
- 都庁の面接の形式・雰囲気
- 【必ず聞かれる】定番質問と回答のポイント
- 【技術職ならでは】専門知識・志望局に関する質問
- 【差がつく】時事・都政に関する質問
- 面接で落ちる人の共通パターン
- 面接対策のスケジュールと準備方法
都庁の面接の形式・雰囲気
面接は都庁の会議室で行われます。面接官は3名(人事委員会の担当者・技術系管理職・人事担当者などの構成)で、受験者1人を囲む形式です。
雰囲気は「圧迫面接」ではなく、基本的に穏やかです。ただし、答えが曖昧だったり矛盾が生じると、追加質問で深掘りされることがあります。事前にエントリーシート(面接カード)を提出し、それをベースに質問が展開される形が一般的です。
面接カードには「志望動機」「学生時代に力を入れたこと」「希望する仕事」などを記入します。面接カードの内容と話す内容を一致させることが大前提です。
【必ず聞かれる】定番質問と回答のポイント
Q1. なぜ東京都庁を志望したのですか?
最頻出の質問です。「安定しているから」は絶対NGです。以下の3点を軸に答えましょう。
- スケール感:「首都東京のインフラを担う規模の仕事に携わりたい」
- 具体的な事業への関心:「下水道老朽化対策・ゼロエミッション東京など、具体的な政策・事業名を挙げる」
- 公益性:「利益ではなく都民1,400万人の安全・安心を最優先できる仕事がしたい」
回答例:「東京が抱える老朽インフラの更新問題に、技術職として正面から取り組みたいと考えたからです。都庁の下水道局では、高度成長期に整備された管路の約4割が耐用年数を超えているという現状があり、これを計画的に更新していくことが喫緊の課題だと認識しています。民間企業での仕事も魅力的ですが、利益を超えて都民全体の生活基盤を守るという公共の役割に、やりがいと使命感を感じています。」
Q2. 学生時代に最も力を入れたことは何ですか?
いわゆる「ガクチカ」です。卒業研究・部活・アルバイト・ボランティアなど何でも構いませんが、「状況→行動→結果→学んだこと」のSTAR形式で話すと伝わりやすいです。
- Situation(状況):どんな状況・背景だったか
- Task(課題):何が問題・目標だったか
- Action(行動):自分が具体的に何をしたか
- Result(結果):どんな成果が出たか、何を学んだか
回答例:「卒業研究で河川の洪水氾濫シミュレーションに取り組みました。当初は計算モデルの精度が低く、指導教官からの指摘が続きましたが(S)、既往研究を50本以上読み込みパラメータの設定方法を見直しました(A)。その結果、実測データとの誤差を20%以内に収めることができ、学会発表でも評価を得ました(R)。この経験から、困難な課題に対して粘り強く取り組む力と、データに基づいて判断する大切さを学びました(学び)。」
Q3. 自分の長所と短所を教えてください
短所は「短所のように見えるが実は長所」という見せ方が定番ですが、都庁の面接では素直に認めて改善策を話す方が誠実な印象を与えます。
- 長所:チームで動くことが得意・粘り強さ・論理的思考力など、仕事に結びつくものを
- 短所:「完璧主義で時間がかかりすぎる」「一人で抱え込みやすい」など、成長の余地が見えるものを。改善に向けた取り組みもセットで話す。
【技術職ならでは】専門知識・志望局に関する質問
Q4. 希望する配属先(局)と、そこでやりたい仕事を教えてください
技術職の面接では必ずと言っていいほど聞かれます。「どこでも頑張ります」はNGです。具体的な局名・事業名・理由を答えましょう。
回答例:「第一希望は下水道局です。大学の卒業研究で都市排水の氾濫解析を行う中で、下水道が都市の水害リスクと直結していることを実感しました。都の下水道局では、浸水対策や管路の改築計画に最前線で関われると考えており、自分の専門知識を直接活かせる場だと思っています。」
Q5. 卒業研究の内容を教えてください
技術職ならではの質問です。面接官に技術系管理職が含まれるため、専門的な内容を問われることがあります。ポイントは「専門用語を使いながらも、わかりやすく要約する」こと。研究の背景・方法・結果・意義を1〜2分で説明できるよう練習しておきましょう。
【差がつく】時事・都政に関する質問
Q6. 東京が現在抱える最大の課題は何だと思いますか?
正解はありませんが、技術職らしい視点から答えましょう。「インフラの老朽化」「気候変動・激甚化する豪雨への対応」「少子高齢化に伴う行政サービスの維持」などが土木視点では答えやすいテーマです。
回答例:「老朽インフラの更新問題が最大の課題だと考えます。高度成長期に集中整備された道路・橋梁・下水道管の多くが耐用年数を超えつつあり、限られた予算の中でどう優先順位をつけて更新するかが問われています。私はデータに基づくリスク評価と、予防保全型の維持管理への転換が不可欠だと考えています。」
Q7. 最近気になったニュースを教えてください
都政・インフラ・防災・環境に関するニュースを1〜2本準備しておきましょう。「なぜ気になったか」「どう思ったか」「都庁の仕事とどう関係するか」まで話せると好印象です。
面接で落ちる人の共通パターン
- 志望動機が抽象的すぎる:「社会に貢献したい」「安定した仕事がしたい」だけでは落ちます。具体的な事業・局名・課題への言及が必須です。
- 話が長すぎる・短すぎる:1問あたり1〜2分が目安。話し過ぎも、一言で終わるのもNG。
- 面接カードと話す内容が矛盾する:カードに書いた内容と異なることを話すと信頼性を失います。カードを暗記するくらい読み込んでおく。
- 都政の知識がなさすぎる:希望する局の主要事業も知らない、最近の都の施策を全く知らない、というのは準備不足の印象を与えます。
- 緊張して声が小さい:声の大きさ・ハキハキした話し方は非常に重要です。模擬面接を繰り返して場慣れしましょう。
面接対策のスケジュールと準備方法
| 時期 | 取り組み |
|---|---|
| 1次試験前(〜4月) | 面接カードの下書き作成。志望動機・ガクチカの言語化を始める。 |
| 1次合格発表後(6月上旬) | 面接カードを完成させ、想定Q&Aを20〜30問作成して答えを準備する。 |
| 2次試験1〜2週間前 | 模擬面接を最低3回実施(大学のキャリアセンター・OB・友人など)。声の大きさ・視線・話す速度を確認する。 |
| 前日 | 面接カードを再読、早寝をして体調を整える。 |
面接は「準備した量」が如実に結果に出ます。筆者は1次合格後の約2週間で想定問答を30問作り、友人と模擬面接を5回繰り返しました。本番では練習よりも緊張しましたが、準備していたことで落ち着いて話せたと感じています。
面接対策に不安を感じている方は、ぜひコメントやお問い合わせで相談してください。このブログでは今後も面接・試験対策の情報を発信していきます。
✍ この記事を書いた人
東京都庁 土木職として6年勤務。下水道局3年(管路施設の設計・施工管理)後、民間企業に3年間出向。公務員と民間の両方を経験した視点から、公務員志望者に向けてリアルな情報を発信しています。

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